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2016年11月 5日 (土)

日本が世界最高のAI国家になる方法

日本が世界で最も情報公開を進めれば、今すぐにでも世界最高のAI(コンピュータ)国家になれるでしょう。ビジネスチャンスは飛躍的に広がり、先進国で極端に低い生産性は段違いに向上するはずです。実力は正当に評価されるようになり、福祉に取り残された人たちを救えると考えます。

コンピュータが社会生活を豊かにする条件は、次の三つがあるでしょう。

①コンピュータ技術の向上

②コンピュータ使用についての法整備

③社会のコンピュータ認識の変化

ここでは①については触れません。現状のコンピュータ技術のままでも②と③を進めるだけで、日本が世界最高のコンピュータ国家になれると確信しているからです。まず、次の(1)を実現するだけでも、現在なら世界最高になれるでしょう。

(1)日本中の法人の金銭取引を全てネット上に公開する

この法人には行政機関も含め、金銭取引は給与も含めますが、私人の金銭取引は除きます。日本中の法人の全ての商品、全てのサービスの現在と過去の販売価格がネット上に公開されます。世界中どこからでも、日本語を理解している人なら、日本での金銭取引がネット上で簡単に把握できます。

たとえば、私が「プロ将棋ビジネス大成功!」で書いたスポンサー支援のプロ将棋リーグ企画が実現可能かどうか、以上の情報がネット上で収集可能であれば簡単に調べられます。どこそこの会場使用料と運営料はいくらで、どこの企業にチケット販売を委託する値段がいくらで、棋士の給与がいくらで、あちらの企業はスポンサー費用として観客〇人につき×万円を払ってもらえるから、観客を△人集めれば黒字にできる、などが一般人でも無料で計算できます。こんな社会になれば、ビジネスチャンスは今と比較にならないほど広がります。若者の起業家数は今の何%増ではなく、何倍にもなるに違いありません。国内や海外からの投資額は大幅に増えるでしょう。

メリットはこれに留まりません。「これだけ勤勉に働いているのに、なぜ日本人の生産性が低いのか」の疑問もこれで氷解します。同業他社と比べれば、非効率に人件費をかけている部署が分かるからです。また、自分の給与が全国規模で比較して不当に安いと分かり転職できるので、実力は正当に評価されやすくなります。倒産寸前の違法な会計操作は日本企業の情けない習慣になっていますが、それも事実上撲滅できます。生活保護の不正受給はゼロに近くなり、一方で、本来福祉の対象にすべき人たちが明らかになります。公的機関の金銭取引や公務員の給与も全てネット上に公開されるので、税金の無駄は激減するでしょう。

なお、全ての企業の全役員、全従業員の給与は公開しますが、その給与を得ている個人名は非公開です。家族に内緒でパチンコに費やしている金額や、買った下着の値段と種類などの個人の消費がネット上に公開されるわけでもありません。

それでも個人事業主などの収入が全世界に公開されるので、お金持ちが泥棒に狙われやすくなる恐れはあるでしょう。確かに、上の改革は大きなデメリットも確実にあります。しかし、全体で考えれば、メリットがデメリットを遥かに上回ると私は確信しています。また、そうなるように政府、国民が制度を運営できるはずですし、そうすべきです。たとえば、泥棒が発生しないように恵まれない人の福祉を充実するなどの方法があります。この制度を適切に運用して、日本中の理不尽や不条理や非効率や不公平を解消していけば、犯罪率はむしろ下げられるはずです。

この制度の導入により、事務処理の効率化は各段に進むと期待できます。そう遠くないうちにキャッシュレス社会にも自動的に移行するでしょう。日本中の全ての人がそれぞれ欲しいデータをネット上で探しやすくするため、あるいは比較しやすくするため、SEやプログラマーの仕事は大幅に増えるのは間違いありません。また、効率化によって削減できた人手は、現状で圧倒的に不足している福祉の手を差し伸べるソーシャルワーカーなどに大量に回すべきでしょう。パワハラ撲滅のための役人数などは数十万人単位かそれ以上に増やしてもいいはずです。

こんなことを提案すれば、「それでは企業秘密が世間に知れ渡ってしまうではないか」と猛反対する人が出てきます。しかし、企業が持つ技術や会議資料を公開するわけではありません。あくまで企業の金銭取引だけをネット上に公開します。どうしても金銭取引を非公開にする必要があれば、公的機関の許可を得た時のみ例外的に認めるべきで、よほどの事情がない限り、企業名と商品と金額と経費と給与を1円に至るまで随時ネットで公開すべきと私は考えます。

なお、何十年後かの未来でないと実現しないかもしれませんが、次の(2)(3)の改革も今すぐ適切に実行できれば、他国が到底追いつけないほど、日本がIT先進国になるでしょう。

(2)私人間の金銭取引を全てネット上で公開する

(3)日本人の位置情報を全てネット上で公開する

日本人であれば世界のどの場所にいるか、ネット上で正確に把握できます。また、誰が何時にどこの店でなにを買ったかネット上に一つ残らず記録され、統計データが出ます。希望しない場合は、個人データを非公開にすることも簡単にできますが、匿名の統計データとしての記録は保持されます。

こんなことを書くと「世間知らずの大バカ野郎! それだと嫉妬深い妻に、若い女性社員が飲み会にいたとバレるだろう! それだけで浮気したって激怒するんだぞ! データ公開拒否したって妻なら猜疑心から怒るに決まっている! 人の結婚生活を壊す気か!」などと考える人がいるでしょう。でも、そんな嫉妬深い妻がいる自体、おかしいですよ。その妻は精神的なサポートが必要で、(2)(3)の導入以前に重要な問題があります。むしろ、上のようなシステムを導入することで、その妻が精神サポートの対象だと社会に認知され、夫にとっても問題を一人で抱えなくて済むので、いいじゃないですか。

私は(2)(3)が今すぐ導入されても問題ありません。(2)(3)の導入に抵抗する人は、本当に浮気しているか、近しい人に嘘をついているか知りませんが、なんらかの後ろめたいことがあるからでしょう。結婚後の浮気(不貞)は不法行為ですし、後ろめたいことは誰にでもあるので、なにも嘘をつかなくてもいいはずです。個人情報を非公開にするシステムでも救済されないほどに嘘をつく必要があるなら、大抵、その裏には個人ではなく社会として解決すべき問題が隠されていると推測します。確かに(2)(3)にデメリットはありますが、メリットも多くあります。より成熟した社会になれば、メリットがデメリットを凌駕するように運用していけると私は考えています。

(2)(3)のメリットとしては、まず、家に鍵をかけなくていいことが挙げられるでしょう。持ち主の許可なく泥棒が家に入った時点で、その泥棒の位置情報が警察に自動的に行って、すぐに逮捕できます。集団どころか個人の消費行動まで追跡できるので、在庫は極限まで減らせるでしょう。一人ずつの需要と供給を結びつける開発、製造、流通、販売システムも完成できるはずです。社会面でいえば、上記のように浮気が難しくなるので、もてる人が複数の異性と付き合うことは少なくなるに違いありません。あるいは、女性が自身の収入以下の男性と結婚する確率は3%以下であるが、20代女性の平均収入以下の20代男性は33%であると、怪しい雑誌の調査ではなく、公的な統計で判明したりすれば、結婚率上昇のためにどのような対策をとるべきか社会全体で考えられ、少子化問題を解決できるかもしれません。

このような情報公開社会を提案すると、「1984年」などのSF小説を読みすぎなのか「管理統制社会」と批判したり、戦時中の憲兵による風紀介入を引き合いに出して「デートも気軽にできなくなる」と批判したりする人が必ず現れます。もちろん、公的機関、特に警察の情報介入は適切になされるべきで、それについては十分に考慮すべきです。しかし、役人が把握できる情報は原則、全てネット上に公開すべきだと私は考えています。公的機関の一部専門家は知っているが、一般人は知らない情報があるのは好ましくないでしょう。

それに、現在だってGoogleamazonなどの外国企業が日本企業や日本政府以上に日本人の位置情報や金銭取引情報を把握し、それを活用して利益を産み出しています。だからといって、日本社会に大混乱など生じていません。なにより、外国企業に日本人の膨大な情報を日本企業や日本政府以上に利用されて、悔しくないですか?

少し話は脱線しますが、「アップル帝国の正体(文藝春秋、後藤直義著,森川潤著)」という、日本のiPhone使用者全員に読む義務を課したいような本があります。iPhoneの精密部品の多くを日本企業が作っているものの、アップルにそれらの精密部品を安く買いたたかれて、膨大な利益をアップルに持っていかれている構造が赤裸々に書かれています。私にとって最も悔しかったのは、iPhoneの液晶画面を1億個も作っているシャープ工場のある三重県亀山市で、「そんな田舎でiPhoneが売られていたらブランドイメージに傷がつく」という理由から、アップルがiPhoneの販売を認めていない現実です(現在は販売されているようです)。幕末、高杉晋作が上海に行って、「中国人が作った中国にある橋なのに、イギリス資本という理由で、中国人の無料通行は一切認められていない」現実を知り愕然としたことを思い出しました。アップルによる屈辱的な搾取が起きる大きな理由は、日本製造業についてのアップルの情報収集能力だと、上記の本を読めば分かります。情報を非公開にしたところで完全機密にするノウハウもない日本人相手なら、情報の価値を知り抜いている外国企業相手に勝てません。だったら、最初から情報を全て公開すればいいんですよ。それに、一部の怪しい情報通、一部の大企業、公的機関だけが情報を利用できる不平等は好ましくありません。どんな人でも日本中のあらゆる基本情報をネット上で簡単に利用できていたなら、新しいアイデアが今の何百倍以上も生まれていたはずです。日本語の特殊性があるのに外国企業につけこまれることもなく、日本人の誰かがiPhoneのような製品を作って、数兆円規模の利益が日本に毎年入っていたことでしょう。

(1)(2)(3)の改革は夢物語のように思われるかもしれませんが、100年後にはどの国でも導入しているに違いありません。そのような情報公開制度を効果的に運用する社会をいち早く実現すれば、日本が世界をリードできると私は確信しています。多くの日本人が1日でも早くそれを理解して、日本が世界に先駆けて情報公開社会を達成し、物資的にも精神的にも豊かになれることを願っています。

(付記)

粗削りですが、この記事のアイデアは「新・船中八策」と呼べるほどに、日本の進むべき情報社会の姿を20年から50年は先取りして示せたと自負しています(とプライドの高い筆者が自惚れています)。こんなブログで「便所の落書き」で終わるのはもったいないアイデアのように思うので、誰か広めてくれると嬉しいです。これ以上のアイデアは私に考えられないでしょうから、『アメリカとヨーロッパの経済比較から、プロスポーツやプロ棋界の廃止により日本人の一人当たりGDPが向上する仮説』『人工知能バブルが起こる危険性』『将棋・囲碁を教育に用いた場合の悪影響』『プロ棋士は性格(礼儀作法や話し方)が素晴らしくても、人間性(話す内容)は空っぽである』など、語り残したテーマはありますが、こちらのブログはしばらく休止する(あるいは終了する)つもりです。上から目線と皮肉の度合いがひどくなる一方のブログをここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。また、特にプロ将棋ファンの心情を著しく害して、大変申し訳ありませんでした。

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